アメリカでトランプ氏が再び大統領に就任したことで、人間の活動が原因とされる気候変動についての懐疑的な見方が、政府の中でも公然と示されるようになっています。その影響で、国や企業が進めてきた「脱炭素(CO₂を出さない)」の取り組みから離れる動きが見られています。
さらに、気候変動に関する研究を行う機関への資金提供が止められる可能性もあり、そうなると長年にわたって集めてきた観測データが途絶えてしまうおそれがあります。これは、今後の気候対策にとって大きな痛手となります。
こうした状況に対して、「トランプ政権やその支持者は気候変動について無知だ」と批判するのは簡単です。しかし、それだけでは問題の本質を見落としてしまうかもしれません。今回のシンポジウムでは、「なぜこのような動きが支持されるのか?」という問いに対して、科学、技術、社会がどう関わっているのかを深く考えていきます。
まず、気候変動研究の第一人者である江守氏に、トランプ政権の気候政策とそれがどんな影響をもたらすのかを解説していただきます。次に、アメリカ社会の現状について、現地での取材経験が豊富な三井氏にお話しいただきます。三井氏は2016年のアメリカ大統領選について取材し、その経験を『ルポ 人は科学が苦手』という本にもまとめています。
これらの情報やパネルディスカッション、会場との質疑を通して、独立性・自律性をたもちつつ、社会とともにある科学技術のあり方の再構築を一緒に考えていきたいと思います。
【日時】
2025 年 10 月 26 日(日)10:00 ~ 12:30
【開催場所】
オンラインのみ(zoomウェビナー。申込み後、開催までにお知らせ)
【対象】
会員・非会員問わずだれでも参加できます。
【参加費】
無料
【プログラム】
講演1:トランプ政権で主流化する気候変動懐疑論・否定論
江守 正多氏(東京大学 未来ビジョン研究センター 副センター長/教授)
講演2:アメリカ社会と科学不信
三井 誠氏(読売新聞 東京本社 調査研究本部 主任研究員)
パネルディスカッション
パネラー:江守 正多氏・三井 誠氏・山口 富子氏
司会:寿楽 浩太氏(東京電機大学 工学部 教授)
【お申し込み】
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【お問い合わせ】
科学技術社会論学会
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