令和4年3月25日に岡山市と締結した「生物多様性保全の推進に関する連携協定」において実施している生物調査において、日本国内で初記録となる「蛾」が発見されました。
今回見つかった昆虫は、ツツミノガ科というグループのColeophora limoniellaという蛾で、ヨーロッパに分布することが知られていますが、これまで日本で発見されたという記録はありませんでした。
この蛾(が)の名前については、羽を広げるとだいたい1センチくらいの小さな虫ですが、羽には金や銀の模様があってとても美しい見た目をしていることから、「マキエ(蒔絵)ツツミノガ」という日本語の名前がつけられました。
そして、この蛾が日本で初めて見つかったことが、2025年10月27日に日本鱗翅(りんし)学会の学術誌「Lepidoptera Science」に発表されました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/lepid/76/4/76_173/_article/-char/en
DOI:10.18984/lepid.76.4_173

マキエツツミノガ Coleophora limoniella(標本)
岡山市との連携協定の一つとして実施している岡山市内での重要生態系の生物調査では、これまで生物調査があまり行われていない地域を優先的に調べています。今回、マキエツツミノガが発見された場所を含め、これまで調査した場所は、ほとんどが住宅地に近い身近なエリアとなっています。
また、過去に実施した調査においても新種の「蛾」が発見されています。これらの発見は、見落としがちな身近な環境においても豊かな自然が存在していることを証明している一つの例と考えています。
当事業団では、今後も自然環境分野における知識や経験を活かし、地域の生物多様性保全や昆虫たちと共存できる豊かな自然を次の世代に伝えていくため活動してまいります。
※当事業団の生物調査で新種の昆虫が発見されました( 公益財団法人岡山県環境保全事業団)
https://www.kankyo.or.jp/news/detail.php?id=407
※岡山市と公益財団法人岡山県環境保全事業団との生物多様性保全の推進に関する連携協定について(岡山市)
https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000035986.html
※自然環境モニタリングについて(岡山市)
https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000037443.html
※岡山市の重要生態系について(岡山市)
https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000038042.html







